コロナ明け、さらなる成長フェーズに入っている訪日インバウンド市場。
この記事では、2024年6月末に公開された観光庁の宿泊者統計(第2次速報値)を基に、都道府県別の外国人延べ宿泊者数を図解でお伝えします。
コロナ前から大幅増加も、依然続く都市部偏重
2024年4月の外国人延べ宿泊者数は、全国で1450万人泊。コロナ前の2019年4月と比べて29%増加しています。
一方、三大都市圏(※)と地方部での宿泊者数を見ると、三大都市圏の宿泊者数がコロナ前の41%増、地方部の宿泊者数が6%増と都市部偏重が進んでいることがわかります。
※三大都市圏:東京・神奈川・千葉・埼玉・愛知・京都・大阪・兵庫(観光庁定義)
日本政府観光客(JNTO)が公表している同じ月の訪日客数は推計で304万人のため、単純計算で一人当たり宿泊数は三大都市圏で3.4泊、地方部で1.36泊となります。
政府は令和5年3月に定めた観光立国推進基本計画の中で令和7年までに地方部で2泊の目標を掲げていますが、目標達成にはさらに地方へ周遊を促進する施策の実行が必要なようです。
各都道府県ごとの外国人延べ宿泊者数を解説
ここからは、各都道府県ごとの外国人延べ宿泊者数をコロナ前の2019年同月との比較も併せて解説します。
差が明確な三大都市圏の外国人延べ宿泊者数
まずは観光庁の定義による三大都市圏(東京・神奈川・千葉・埼玉・愛知・京都・大阪・兵庫)の宿泊者数を見ていきます。
東京・大阪・京都の数が圧倒的に多く、コロナ前との比較で見ても大きく増加していることが分かります。
同じ三大都市圏の中でも埼玉や兵庫は他の地方部と比べてもかなり少ない傾向も見て取れます。
青森・岩手・宮城が元気。北海道・東北地方の外国人延べ宿泊者数
母数の多い北海道はコロナ前と比べると微減。
青森、岩手、宮城はコロナ前と比較して20%前後宿泊者数が増加しています。
秋田と山形は母数が少ない上2-3割減少しています。
石川の伸びがすごい。北関東・北陸・甲信地方の外国人延べ宿泊者数
なんと石川県はコロナ前の2倍以上の外国人宿泊者数を記録しています。能登半島はまだ観光できる状態ではないエリアも多いですが、金沢を中心に元々文化資源や自然環境が魅力的なところ、最近では様々な事業者がインバウンド向けのコンテンツを造成したりプロモーションに力を入れていることも大きく影響しているでしょう。
河口湖ローソンからの富士山ビューに黒幕が張られた(もちろんこれによる影響はほんの一部でしょうが・・)山梨は微減、幅広く周遊できる長野は20%増となっています。
唯一岐阜が好調な東海・関西エリアの外国人延べ宿泊者数
飛騨高山や白川郷の人気が高まっている岐阜がコロナ前3割増の宿泊者数を記録。
ゴールデンルートが静岡・名古屋経由から松本・高山・金沢経由に変わっていると言われて久しいですが、それを裏付けるような結果となっています。
鳥取と島根は明暗くっきり・四国はすべて増加:中国四国エリアの外国人延べ宿泊者数
鳥取は半減、島根は25%増と明暗が分かれた山陰地方。同じく、岡山と広島の山陽地方も差が顕著に出ています。
四国は4県すべてでコロナ前を超える水準。特に愛媛は2倍以上の宿泊者数を記録しています。
九州内部でもその差は歴然:九州沖縄地方の外国人延べ宿泊者数
韓国人観光客の成長の影響が大きく、福岡が大きく伸長しています。
また、熊本はTSMC工場の影響で台湾人が増えているようです。大分は微増ですが、その他の県は沖縄含めてコロナ前よりも大きく数を減らしています。
都道府県別:コロナ前からのインバウンド宿泊者数伸び率ランキング
最後に、コロナ前からの伸び率ランキング10位を発表します。
自治体や事業者の取り組みがインバウンド観光客の集客にダイレクトに影響します。ターゲットを定めて効果的なプロモーション・販路開拓をすることで、今後どの地域でも飛躍的にインバウンド客を増加させられる可能性があります。
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