石川と愛媛が大きな伸び。2024年5月の都道府県別インバウンド宿泊者数を解説

ますます盛り上がりを見せる訪日インバウンド市場。

2024年7月末に公開された観光庁の宿泊者統計(第2次速報値)を基に、2024年5月の都道府県別の外国人延べ宿泊者数を図解でお伝えします。

東京・大阪・京都に集中する訪日インバウンド客

2024年5月の外国人延べ宿泊者数は、全国で1356万人泊。コロナ前の2019年5月と比べて39%も増加しています

一方、三大都市圏(※)と地方部での宿泊者数を見ると、三大都市圏の宿泊者数がコロナ前の59%増に対して地方部の宿泊者数が6%増と大きな開きがあることがわかります。

※三大都市圏:東京・神奈川・千葉・埼玉・愛知・京都・大阪・兵庫(観光庁定義)

 

日本政府観光客(JNTO)が公表している同じ月の訪日客数は推計で304万人のため、単純計算で一人当たり宿泊数は三大都市圏で3.21泊、地方部で1.25泊となります。

政府は令和5年3月に定めた観光立国推進基本計画の中で令和7年までに地方部で2泊の目標を掲げていますが、目標達成にはさらに地方へ周遊を促進する施策の実行が必要なようです。

各都道府県ごとの外国人延べ宿泊者数を解説

ここからは、各都道府県ごとの外国人延べ宿泊者数をコロナ前の2019年同月との比較も併せて解説します。

引き続き差が明確な三大都市圏の外国人延べ宿泊者数

まずは観光庁の定義による三大都市圏(東京・神奈川・千葉・埼玉・愛知・京都・大阪・兵庫)の宿泊者数を見ていきます。

東京はなんとコロナ前の2倍の宿泊者数を記録しています。

大阪・京都も母数が多く、伸び率も高くなっています。

三大都市圏のそのほかの地域は、神奈川や兵庫がコロナ前に対して大きく成長しているのに対し、千葉と愛知はコロナ前を下回る水準。

三大都市圏の中でも地域によって明暗が分かれています。

宮城と福島が大きな伸び。北海道・東北地方の外国人延べ宿泊者数

母数の多い北海道はコロナ前と比べて宿泊者数が大きく減っています。

対して、福島は87%増、宮城は20%増の結果となりました。

盛岡がNY Timesに取り上げられた岩手は成長が期待されていますが、コロナ前から宿泊者数を減らしています。

石川が圧倒的な成長。北関東・北陸・甲信地方の外国人延べ宿泊者数

石川県はコロナ前の2倍以上の外国人宿泊者数を記録しています。これは年初から続く傾向で、「地方におけるインバウンド誘客成功例」として今後さまざまな事業者の動きが活発化していきそうです。

岐阜と和歌山が好調な東海・関西エリアの外国人延べ宿泊者数

飛騨高山や白川郷の岐阜。高野山の和歌山と、わかりやすい日本らしさがウリの都道府県が宿泊者数を伸ばしています。

一方、東海関西の他の県はコロナ前と比べて3-4割減と、インバウンド需要を取り込めないでいます。

愛媛は好調継続。広島・高知・徳島が大きく増加:中国四国エリアの外国人延べ宿泊者数

愛媛県は4月に引き続いてコロナ前の2倍のインバウンド宿泊者数。全国でも石川に次いで2番目の成長率を見せています。

広島・高知・徳島が大きく数を伸ばしていますが、そのほかの地域はコロナ前と変わらず、あるいは減少となっています。

福岡・熊本が大幅な成長:九州沖縄地方の外国人延べ宿泊者数

4月までの傾向と同じく、九州・沖縄地方では福岡と熊本が宿泊者数を大きく伸ばしています。一方、その他の県は沖縄含めてコロナ前よりも大きく数を減らしています。

都道府県別:コロナ前からのインバウンド宿泊者数伸び率ランキング

最後に、コロナ前からの伸び率ランキング10位を発表します。

自治体や事業者の取り組みがインバウンド観光客の集客にダイレクトに影響します。ターゲットを定めて効果的なプロモーション・販路開拓をすることで、今後どの地域でも飛躍的にインバウンド客を増加させられる可能性があります。

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