都心部一極集中は解消されず【2024年7月】インバウンド外国人の都道府県別宿泊者数を解説

ニュースで観ない日はないインバウンド観光客の動向。そんなインバウンド観光客はどこを訪れているのでしょうか?

2024年9月末に公開された観光庁の宿泊者統計(第2次速報値)を基に、2024年7月の都道府県別の外国人延べ宿泊者数を図解でお伝えします。

進まないインバウンド観光客の地方分散

2024年7月の外国人延べ宿泊者数は、全国で1470万人泊。コロナ前の2019年同月と比較して約36%も増加しています

一方、三大都市圏(※)と地方部での宿泊者数を見ると、三大都市圏の宿泊者数がコロナ前の53%増に対して地方部の宿泊者数が7%増と大きな開きがあることがわかります。

※三大都市圏:東京・神奈川・千葉・埼玉・愛知・京都・大阪・兵庫(観光庁定義)

 

日本政府観光客(JNTO)が公表している同じ月の訪日客数は推計で329万人のため、単純計算で一人当たり宿泊数は三大都市圏で3.16泊、地方部で1.31泊となります。

前月、2024年6月の地方部の宿泊数が1.16泊だったため改善はしていますが、政府が令和5年3月に定めた観光立国推進基本計画の中で定めた目標:令和7年までに地方部で2泊にはまだ遠く届きません。

各都道府県ごとの外国人延べ宿泊者数を解説

ここからは、各都道府県ごとの外国人延べ宿泊者数をコロナ前の2019年同月との比較も併せて解説します。

三大都市圏でも東京・大阪・京都にインバウンド観光客が集中

まずは観光庁の定義による三大都市圏(東京・神奈川・千葉・埼玉・愛知・京都・大阪・兵庫)の宿泊者数を見ていきます。

コロナ後、継続して顕著な傾向なのが東京・大阪・京都への集中。この3都市で、全体の6割の外国人宿泊者数を記録しています。

東北は太平洋側が好調。日本海側はコロナ前を下回る

北海道の宿泊者数は5月までコロナ前を下回る水準で推移していましたが、6月と7月はコロナ前を超えてきました。

東北地方は太平洋側で軒並みコロナ前を上回っており、特に福島県は3ヶ月連続で大きな成長を見せています。

石川は好調が継続。栃木・群馬が際立つ。北関東・北陸・甲信地方の外国人延べ宿泊者数

石川県は前月までコロナ前比2倍以上の外国人宿泊者数を記録していましたが、7月は184%。それでも好調をキープしています。

石川と同じく北陸新幹線ルートの富山と福井はコロナ前を下回っています。

7月の実績で際立つのは栃木の156%と群馬の146%。避暑地としての需要が高まった結果でしょうか。

岐阜が大きな伸び。その他は全体的に不調な東海と関西エリアの外国人延べ宿泊者数

飛騨高山や白川郷を擁する岐阜。6月はコロナ前を下回っていましたが、7月は180%とまた大きな伸びを見せました。

都市部を除く東海エリアと関西エリアは全体的にコロナ前を下回って元気がありません。唯一、高野山擁するの和歌山が好調に推移しています。

四国は好調継続。広島も大きく増加:中国四国エリアの外国人延べ宿泊者数

四国地方は好調をキープしています。なかでも、愛媛県は4ヶ月連続でコロナ前の2倍のインバウンド宿泊者数。全国でも1位の成長率を見せています。

広島も大きく伸び得ていますが、岡山と山陰地方は伸び悩んでいます。

福岡・熊本・大分が大幅な成長:九州沖縄地方の外国人延べ宿泊者数

6月までの傾向と同じく、九州・沖縄地方では福岡と熊本が宿泊者数を大きく伸ばしています。また、大分もコロナ前の宿泊者数を超えてきました。

一方、その他の県は沖縄含めてコロナ前よりも大きく数を減らしています。

都道府県別:コロナ前からのインバウンド宿泊者数伸び率ランキング

最後に、コロナ前からの伸び率ランキング10位を発表します。

自治体や事業者の取り組みがインバウンド観光客の集客にダイレクトに影響します。ターゲットを定めて効果的なプロモーション・販路開拓をすることで、今後どの地域でも飛躍的にインバウンド客を増加させられる可能性があります。

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