観光庁令和7年度(2025年度)予算を図解で紹介。補助金や注力事業についても徹底解説

2024年12月27日、観光庁は令和7年度(2025年度)の予算の決定概要を公開しました。 11月に公開された令和6年度の補正予算と合わせて、今後の観光庁(及び文化庁、環境省)の支援事業・補助事業の内容がほぼ固まったことになります。

「国がどのようなことにお金を使おうとしているか」を知っておくことで、地域や事業体として今後の方向性を決める指針にもなります。 この記事では観光庁令和7年度予算の概要を図も交えてわかりやすく解説します。

なお、インバウンド対策に使える補助金は別記事:インバウンド対策・多言語化に使える補助金や助成金を一挙公開を順次更新していきますので、そちらも併せてご参照ください。

令和6年度(2024年度)の観光庁補正予算

まずは11月に発表されている令和6年度の観光庁補正予算の内容をお伝えします。 (観光庁資料を抜粋してご案内します)

観光庁令和6年度補正予算サマリ
観光庁「令和6年度観光庁関係補正予算」資料抜粋

令和6年度補正予算の内訳として、地方誘客促進によるインバウンド拡大:80億円、観光地・観光産業の再生・高付加価値カで300億円、オーバーツーリズム対策等の受入環境整備で158億円、能登半島の観光再生支援で5億円が計上されています。 特に注目すべき予算項目について解説していきます。

地方創生プレミアムインバウンドツアー集中展開事業

80億円が計上されている「地方誘客促進によるインバウンド拡大」の内訳の1つ。 位置づけ的には令和6年度の「特別な体験の提供等によるインバウンド消費の拡大・質向上推進事業」の後継と考えられます。 既に公開されている事務局公募資料によるとこの事業の全体予算は19億円。「特別な体験の提供等による〜」よりも1事業あたりの補助額が制限されており、さらに採択数も減少しそうです。 本事業の詳細については以下の記事を随時更新していきますのでこちらもご参照ください。

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地方創生プレミアムインバウンドツアー集中支援事業アイキャッチ
観光庁令和6年度補正予算1
観光庁「令和6年度観光庁関係補正予算」資料抜粋

地域観光魅力向上事業

こちらは令和6年度「地域観光新発見事業」の後継と見られる事業。こちらは事業費40億円で、令和6年度比微減と見られます。 本事業の詳細については以下の記事を随時更新していきますのでこちらもご参照ください。

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観光庁令和6年度補正予算2
観光庁「令和6年度観光庁関係補正予算」資料抜粋

地方における高付加価値なインバウンド観光地づくり

2023年3月に11地域が選定され、さらに2024年11月に山形エリア、佐渡・新潟エリア、富士山麓エリアの3地域が追加されら「モデル観光地」。 これらの地域でマスタープランに基づく高付加価値旅行者の誘客に向けた取組を行う事業です。

観光庁令和6年度補正予算3
観光庁「令和6年度観光庁関係補正予算」資料抜粋

地域一体となった観光地・観光産業の再生・高付加価値化

従来継続的に行われている事業。特に大きな変更はなさそうです。

観光庁令和6年度補正予算4
観光庁「令和6年度観光庁関係補正予算」資料抜粋

令和7年度(2025年度)の観光庁決定概要

ここからは、2024年12月27日に発表された令和7年度の観光庁予算決定概要をお伝えします。 令和7年度の観光庁全体予算は前年度比1.05倍の約530億円。

令和6年度の内容をほぼ踏襲する形で予算が組まれました。この記事では、令和6年度予算から増額した予算項目と新設された予算項目を中心に解説します。

(1)持続可能な観光地域づくり

従来からの軸であった「持続的な観光地域づくり」の各項目。全体としては令和6年度の51.4億円から54億円と微増の結果になりました。

昨年度までの傾向と同様、地域における受入雇用整備促進と持続的な観光推進モデル事業の予算を減らし、ICT、DXといったデジタル領域に多く予算が充てられています。

令和7年度(2025年度)の観光庁予算 - 持続可能な観光地づくり

ICT等を活用したインバウンド受入観光整備の高度化(18.7億円)

多言語化や無料公衆無線LANの整備など、基本的な受入環境を整備するための費用です。

令和6年度に大幅に予算が増やされた項目で、令和7年度はさらに予算が増える結果となりました。

(ここから、各項目の説明においては観光庁公表のスライド画像を抜粋して掲載します。)

令和7年度(2025年度)の観光庁予算 - インバウンド受け入れ
観光庁「令和7年度観光庁関係予算決定概要」抜粋

観光DXを通じた先進的な観光地創出のためのモデル事業(2.5億円)

こちらも令和6年度に引き続き予算が積まれた項目。日本全国に広がるDMOの中から「先駆的DMO」を選んで重点的に支援する事業です。

令和7年度(2025年度)の観光庁予算 - モデル事業
観光庁「令和7年度観光庁関係予算決定概要」抜粋

(2)地方を中心としたインバウンド誘客の戦略的取り組み

「地方を中心としたインバウンド誘客の戦略的取り組み」予算は前年度の439億円から464億円に微増しました。 令和7年度(2025年度)の観光庁予算 - インバウンド誘客

1.2倍以上になった項目と新設された項目をそれぞれ見ていきましょう。

新たなインバウンド層の誘致のためのコンテンツ強化等(25.2億円)

国として優先的に取り組んでいる地方への誘客消費単価の向上を図る事業。 令和元年度から継続的に行われている「歴史的資源を活用した観光まちづくりの推進」に加えて、令和7年度から「ローカルガイド人材の持続的な確保・育成」が親切されています。予算は合計で前年度比約1.27倍が計上されています。

令和7年度(2025年度)の観光庁予算 - インバウンドコンテンツ
観光庁「令和7年度観光庁関係予算決定概要」抜粋

質の高い消費と投資を呼び込むためのデジタルノマド誘客促進事業(1億円)

令和7年度から新設された事業。全体予算1億円、1事業上限5百万円(補助率1/2)と予算規模的には小さめで、トライアル的な事業となりそうです。

令和7年度(2025年度)の観光庁予算 - デジタルノマド
観光庁「令和7年度観光庁関係予算決定概要」抜粋

観光コンテンツ事業者の収益性改善モデル構築事業(1億円)

コロナ禍が明けてインバウンド事業者も増えていますが、継続的なコンテンツ販売に課題を抱えている事業者も少なくありません。そんな事業者を支援する事業で、こちらも全体予算1億円でトライアル的に行われるものと予想されます。

令和7年度(2025年度)の観光庁予算 - 収益モデル改善
観光庁「令和7年度観光庁関係予算決定概要」抜粋

公共交通利用環境の革新等(6.7億円)

令和元年度から継続的に行われている事業ですが、令和7年度からは非常時のスマートフォンの充電環境の確保や大きな荷物を持ったインバウンド旅客のための機能向上が支援項目として追加されました。

令和7年度(2025年度)の観光庁予算 - 公共交通
観光庁「令和7年度観光庁関係予算決定概要」抜粋

以上、令和7年度の観光庁関連の予算や事業について解説しました。 インバウンドに使える補助金については以下の記事もご参照ください。

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