ポストコロナで急速な回復を見せる訪日インバウンド市場。
2023年7月19日に公開された観光庁のデータと同日発表のJNTO資料を基に、最新の訪日外国人の消費動向を図解で説明します。
2019年比較:訪日者数は69%なのに消費総額は95%まで回復!
2023年4月-6月の訪日者数と消費総額を2019年同時期のものと比較すると、訪日者数は2019年の69%で推移しているのに対し、消費総額はなんと95%まで回復しています。
つまりポストコロナになって1人あたりの消費単価が大幅に伸びていることが分かります。
買い物代以外は増えている!インバウンド消費額の内訳を比較
消費額について、もう少し詳しく費目別に見ていきましょう。
下の図をご覧いただければわかる通り、買い物代以外はすべての費目で2019年を超えています。
これは特に買い物にお金を使っていた中国の訪日客がまだ戻っておらず、宿泊費や飲食費に多くのお金を使う欧米からの訪日客が大きく回復していることが大きな要因です。
国別のインバウンド消費額と消費単価
まずはどの国が全体としてどれぐらいの金額を使っているのかを解説します。
消費総額が一番大きいのは台湾。僅差で米国。
台湾は2023年4月-6月の訪日者数が約100万人なのに対して、米国は約60万人。
人数は大きく違いますが、米国の消費単価が高いことから消費総額としては肉薄しています。
中国は渡航制限が続いていることから2019年の3割程度の水準ですが、それでも国別消費総額の3位にランクインしています。
消費単価が高いのはどこの国?
次に、「消費総額」ではなく「消費単価」で見てみましょう。
「消費単価」はその国の訪日者が1回の訪日で使う金額の平均。
英国が一番消費単価が大きく、35.9万円。他の国もコロナ前と比べると大きく消費単価が上がっています。
下の表の通り、2019年と比べて1.5倍以上になっている国も珍しくありません。
消費単価が上がっている背景
ここまで消費単価が大きく上がっている背景は、以下の2点が考えられます。
① 円安の進行
2019年のドル円相場は1ドル平均109円でしたが、2023年の6月は1ドル133円と円安が進行しています。
同じ額のドルでも円換算すればより多くなるわけですから、自然と消費単価も上がることになります。
② コロナ禍で溜まった旅行需要
また、3年にも及ぶコロナ禍で旅行に行きたくても行けなかった人たちがその溜まった鬱憤を晴らすかのようにお金を使っているという理由もあるでしょう。
いずれにしても、今後のインバウンド市場を見ていく上で消費総額は訪日客数よりも重要な指標といっても過言ではありません。
国内の観光事業者として、こういった動向とニーズを見極めてインバウンド集客を行っていくことが求められます。
インバウンド対策に使える補助金も紹介しているので、是非参考にしてみてください。
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