ポストコロナで急速な回復を見せる訪日インバウンド市場。
2023年10月18日に公開された観光庁のデータによると、2023年7月-9月に訪日インバウンド客が国内で消費した額は1兆3900億円と、コロナ前を含めても四半期では過去最高額を記録しました。
国内で観光業に携わる事業者様向けに、最新の訪日外国人の消費動向を図解で説明します。
2019年比較:訪日者数は86%。消費総額は118%を記録!
2023年7月-9月の訪日者数と消費総額を2019年同時期のものと比較すると、訪日者数は2019年の86%で推移しているのに対し、消費総額はなんと118%とコロナ前の水準を大幅に超えました。
訪日インバウンド市場はコロナ禍を経て完全に回復、そしてこれからさらに伸びていくことが期待されます。
消費額の内訳を比較すると面白い事実が
インバウンド観光客の消費額について、項目別に見ていきましょう。
インバウンド観光客が一番お金を使っているのがホテルや旅館などの宿泊費。その後買い物代、飲食費、国内交通費、娯楽サービス費と続きます。
下の図をご覧いただければわかる通り、買い物代以外はすべての費目で2019年を超えています。
これは主に①買い物にお金を使っていた中国の訪日客がまだ戻っていないこと、消費の傾向が②「モノ消費」から「コト消費」にシフトしていることが理由として挙げられます。
国別のインバウンド消費額と消費単価
次は、どの国(地域)からの観光客がどれぐらいの金額を使っているのかを見ていきます。
消費総額が一番大きいのは中国、次いで台湾、韓国、米国となっています。
中国からの観光客は2019と比較して半分も戻っていませんが、それでも国別ではトップの消費額を記録しました。
消費単価が高いのはどこの国?
次に、「消費総額」ではなく「消費単価」で見てみましょう。
「消費単価」はその国の訪日者が1回の訪日で使う金額の平均。
フランスを筆頭に、欧州勢がトップ4を占める結果となりました。
5位以降も欧米豪の消費単価が高く、高付加価値の提供を狙う市場としては欧米豪が適切であることが見て取れます。
消費単価が上がっている背景
AfterコロナになってBeforeコロナよりも消費単価が大きく上がっていますが、その背景として次の2点が考えられます。
① 円安の進行
2019年のドル円相場は1ドル平均109円でしたが、2023年の6月は1ドル133円と円安が進行しています。
同じ額のドルでも円換算すればより多くなるわけですから、自然と消費単価も上がることになります。
② コロナ禍で溜まった旅行需要
また、3年にも及ぶコロナ禍で旅行に行きたくても行けなかった人たちがその溜まった鬱憤を晴らすかのようにお金を使っているという理由もあるでしょう。
いずれにしても、今後のインバウンド市場を見ていく上で消費総額は訪日客数よりも重要な指標といっても過言ではありません。
国内の観光事業者として、こういった動向とニーズを見極めてインバウンド集客を行っていくことが求められます。
インバウンド対策に使える補助金も紹介しているので、是非参考にしてみてください。
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