ポストコロナで急速な回復を見せる訪日インバウンド市場。
2024年2月末に公開された観光庁のデータを基に、都道府県別の外国人延べ宿泊者数をお伝えします。
2023年の年間インバウンド宿泊者数はコロナ前の2019年とほぼ同水準
2023年の外国人延べ宿泊者数(※)は約1億1,400万人となり、コロナ禍前の2019年とほぼ同水準を記録しました。
単純な訪日観光客数と同様、予想よりも早くコロナ禍からの回復を見せました。
2024年1月17日、観光庁が2023年の訪日インバウンド客の消費動向の速報を、JNTO(日本政府観光局)が訪日外客統計の12月推計値をそれぞれ発表しました。 これらをまとめると、2023年の訪日インバウンド市場は次の通り。 […]
※延べ宿泊者:各日の全宿泊者数を足し合わせた数
都道府県別インバウンド数ランキング – 都市偏重が顕在化
都道府県別の外国人延べ宿泊者を見ると、1位は圧倒的に東京、その次に大阪。京都、北海道、福岡、沖縄と続きます。
注目すべきは、コロナ前と比較して都市偏重が明確になっていること。
東京、大阪、京都などの分かりやすい訪日都市は2019年の水準を上回っている一方で、地方では2019年比6割を切っている都道府県も多くあります。
地方部で元気な大分、石川、熊本、栃木
都市偏重とは言っても、インバウンドが盛り上がっている地方部もあります。
大分、石川、熊本、栃木、福島、高知はコロナ前の2019年を上回るインバウンド客が宿泊しています。
大分は「金鱗湖」や「海地獄」「べっぷ地獄めぐり」をはじめとする湯めぐりが人気。石川はひがし茶屋街を代表する町並みが特にインバウンド客にウケています。(本データは2023年のもののため、2024年元日の震災の影響は未知数)
熊本は台湾TSMCの熊本工場の影響が大きいでしょう。栃木は東京から足を伸ばせる日光が不動の観光スポットになっています。
沖縄・愛知は2023年比6割を下回る
一方、比較的インバウンド客の多い沖縄と愛知が2019年の6割に届いていません。理由は不明確ですが、中国人観光客が大幅に減っていることも一因としてありそうです。
NY TIMESで取り上げられた岩手への影響はこれから?
2023年1月12日に米ニューヨーク・タイムズ紙が「2023年に行くべき52カ所」として、ロンドンに続く2位に盛岡市を選定したことが国内でも大きなニュースになりました。
その後「盛岡に外国人が殺到している」との報道もありましたが、今回のデータを見ると岩手県はランキングでは28位。コロナ前の2019年と比べても79%の水準と、影響が出ているようには見えません。
同じく「2024年に行くべき52カ所」で3位に選ばれた山口市とともに、今後よい影響が出ることが期待されます。
インバウンド対策には中長期的な戦略と実行が必要
以上、2023年のインバウンド宿泊者数と都道府県別のランキング、2019年との比較をお伝えしました。
インバウンド誘客は一朝一夕には無しえません。しっかりとターゲットを定めて、ニーズを見極めたコンテンツの造成、適切なプロモーションが求められます。
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